2SK879 と 2SK880
マイクアンプに使う FET の候補で秋月で購入可能なのは 2SK2145、2SK879、2SK880 の3品種です。
低めのゲインが好みなので、差動増幅部に使うのは(石の差で音が変わらないなら)gm の小さい 2SK879 で十分ということになります。カスコード部は gm の大きい 2SK880 の方が良さそうです。
データシートから見ると(今の回路では差動部分に約 1.5 mA 流れるので)Id が 0.75 mA の時の gm は、2SK879 で約 2、2SK880 で約 8 となります。素のゲインは約 4 倍( 12 dB )の差があります。
ソース抵抗を入れると、ゲインは 1/( 1 + gm・r ) になるのでこれで大体のゲインを決めることができます。2SK879 で 1 k を入れると 1/3 ( -10 dB )に、2SK880 に 1 k を入れると 1/9 ( -19 dB )になります。
何故こんなわかりきったことを始めたかというと、....ナンチャッテ高域補正を行うためです。
WM-61A を基準として、その周波数特性に無理矢理合わせようとするとソース抵抗にコンデンサをパラに接続する手が考えられます。
現在組み立てているのは 2SK880 に 1 k を付けたものなので、15 kHz で 1/2πfC を計算すると約 0.01μになります。
そこで、1 k に 0.01μ、0.02μ、0.03μを付けて測定したのが、図です。0.03μでは 10 kHz 近辺も盛り上がっています。0.02μの時にはかなり WM-61A に近づいていますが、超高域( 30 kHz 以上)が補正しすぎになっています。.....で、2SK879 なら gm が小さいので、超高域の過剰補正が減らせるのでは、ということです。
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