バウンダリーマイクの改造
初期に作ったバウンダリーマイク、上に付けたフェルトが黒で目立つし、チップ部品用のプリント基板を使った少し小ぶりの2代目を作ってから使わないでいました。 ところが、ホット/コールドのバランスを調べたら、FET の特性を揃えてあったのでバランスが取れていて、これをそのまま生かしたいと思うようになり、外形を小さくして再利用することにしました。
元々は外径約 16 cm でしたが、外径 12 cm まで小型化することにします。ついでに差動アンプのソースに抵抗を入れてゲインを下げ、抵抗をショートすることでゲインを変えられるようにすることしました(左の回路図)。
スペースを見つけてソースに 1 kΩの抵抗を付け、一寸無理矢理ですが、元々の 16 cm の板を 12 cm にくり抜き、押し込みました。初期の回路なので、差動の電流源は抵抗ではなく FET を使った定電流源です。Phantom 電源を供給したときの電圧(黒)とアダプタを付けたときの電圧(緑)を記載してあります。差動部 FET のドレイン-ソース間電圧が少し小さいような気がしますが、アダプタのドレイン-ソース間電圧もこのくらいだったので良しとしましょう。
左は改造後の裏表の写真です。右は内臓、美しくナイゾー。
ベースは 6 mm の合板で、穴を空けて回路を埋め込み、上下を 3 mm の板で挟んで表面に鉛の板(釣用の板鉛)を貼り付けています。鉛の板厚は元々0.2 mm でしたが、0.4 mm に変更しました。その上にフェルトを貼り付けています。周りの部分をもう少し美しく整形できる技があると良いなぁ。
ケーブルは外径 6 mm のマイク用4芯ケーブルです(2代目は外径約4 mm の2芯ケーブル)。
アシはダイソーの防振ゴム(?)を切って差し込んであります。床と分離するために柔らかい素材を使っています。
マイク部分の重さは約 135 g、2代目は 0.2 mm 厚の鉛を貼り付けてあって、約 85 g です。
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コメント
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こんにちは、topazです。
合板と鉛と銅のシールド出てきているのですね。
音質もよくノイズの少ないオーディオ用パーツを選んでいますね。
メーカー製はパンチングメタルのカバーですが、自作のマイクユニットは上向に外に出ているのですね。
トグルスイッチのレバー操作の穴の加工がとてもいいです。
これはWM-61Aのようですが、相当品のマイクユニットの違いはどうでしょうか。
バイノーラルマイクの自作でよく紹介されていますが、バウンダリーマイクとして音楽録音に使用したのは見かけませんね。秋月通商はマイクユニットの種類が増えましたが、さすがにデータでは音が想像できません。
防振材ですが、ソルボセインが非常に良かったです。
DSR-OD150のマイクホルダー使用しました。
ゴムとホルダーの間の青い色のものがソルボセインです。
http://www.video-koubou-topaz.jp/Professional-Video.html
この時は青色しか購入できなかったと思いますが、黒色もあるかと思います。
丸い突起が並んでいるものを使用していますが、平板状のもあったかと思います。
毎年撮影しているダンスの発表会では、タップダンス用にバウンダリーマイクを使用していて、PAのスピーカーからタップ音を出しています。
投稿: topaz | 2021年7月23日 (金) 14時47分
コメントありがとうございます。
自作ですのでマイクを裸で出してあります。いざとなれば交換すれば、という気持ちで。
客席とステージの境界がない(同じ高さ)と結構踏まれます。
バウンダリーマイクの足は「床の振動が伝わらないように分離した方が良い」と指摘される方がいて、フニャフニャの足にしてあります。
マイクカプセルは WM-61A のものと相当品のものを使っていますが、特性差は以下でなんとなくわかります。
F特を見ると 10 kHz 以上で相当品が少し落ちているようです。何個か測って同じなのでそういう物かと思います。
https://heng-rimo.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-4d925f.html
(「マイクカプセルの防塵布の影響」という題ですが黄色は WM-61A と相当品(XCM6035)との差です。
40 kHz 付近で両者の差が無くなっていますので、WM-61Aが高域を少し持ち上げているのでしょうか?(そういうことができるのか知りませんが。)
オープンドレイン出力のままでは長いケーブルを使うと高域が落ちてしまうので(結構後になってから気がついたのですが.....)以下のアダプタを作ってレコーダーの入力部分に付けることにしました。
https://heng-rimo.cocolog-nifty.com/blog/2021/02/post-e7d82c.html
通常、レコーダーは抵抗入力でDCで 6.8 kΩ、ACで 2 kΩくらいになっています。これをゲート接地で受けてカスコードにするアダプターを介することでミラー効果を抑え、周波数特性を改善できます。
効果は絶大で私のマイクの場合、カスコードのアダプタ必須 と言うことになりました(よく見ると 1 m でも影響が出てるように見えます)。
https://heng-rimo.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-8a006f.html
市販マイクがトランスで送り出しをしている理由がよくわかりました。
投稿: hengrimo | 2021年7月23日 (金) 18時02分